熊谷さんが再びこの味に出会うまで20年ほど時間がかかりました。
それは、結婚してからのことです。ご主人のお母様が買ってきた生クリームでいつものようにお菓子を作りました。作った生クリームを食べてビックリ! それは、小学生の頃に食べたあの誕生日ケーキの味だったのです。買ってきた生クリームは、何種類かあるタカナシの生クリームのうちの1つです。そのたった1種類が昔食べたことのある思い出の味と同じだったのです。その味とともに、その当時の思い出もフラッシュバックしてきたといいます。
食べ物はすぐに消えてしまうけれど、人の体に入ってしみこんでいることを体感した熊谷さんは、ますます作る喜びを感じます。しかも体にだけではなく、心にも味が、思い出が、残っていることを確信するのでした。
料理の喜びを知る熊谷さんは、最近また新しいことを考えています。男女を問わず1人暮らしの方でもしっかりとした料理を、身近なもので作れる教室や退職した人たち向けの教室など、あれこれ思案しています。
熊谷さんの考えは、「食べることは生きること、食生活がいい加減だと生きることもいい加減になります。楽しく生きるためにも自分自身の口に入れるものをおいしく作りましょう。」ということなのです。
好奇心と向上心にあふれる熊谷さんですが、最後に少し余談を。
彼女にあの生クリームを買ってきた義理のお母様の父は、作曲家信時潔。義理のお父様の父が、熊谷守一。この二人の芸術家は、上野の音楽学校と美術学校(現在の東京芸術大学)の仲間として親交がありました。両家は息子と娘が結婚して姻戚関係にあります。信時氏は、国分寺第一小学校校歌を始め、数多くの校歌や文部省唱歌を作曲しています。つまり、熊谷さんは偉大な芸術家を親戚に持つ家に嫁いだのでした。
熊谷画伯の作品は、最近では日経新聞で伊集院静氏が選ぶ「読書」をテーマにした絵画十選で紹介されたりしています。
信時潔氏については、国分寺ショッピング・グルメ・生活情報掲載店のジネット・ヌヴー協会ジャポンのページでも紹介されています。ぜひご参照ください。
そんな経緯があり、スタジオ内に飾られている絵画は、熊谷画伯の作品の写しです。作品集の本もおいてあります。興味のある方はぜひご覧になってください。
スタジオラミュールは、料理とともに室内に流れるクラッシクの音楽や絵画、甘い香り、木のぬくもりと、五感をリラックスして楽しむことができる場所です。幼心を呼びさませたい方は、ぜひ訪れてみて下さい。
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スタジオを建てる前の雑木林の
木をインテリアに利用しています
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