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「義蕎」を店名としてからは、4〜5年しか経っていませんが、それ以前は、「やぶ久」として平成7年から10年間この場所で蕎麦屋を営んできました。
店主の山口欣二さんは、北海道から上京し、ホテルで修行を始めるものの、ホテルの厨房ではなかなかお客様や仕入れ先と触れ合う機会がなく、世田谷の蕎麦屋に修行の場を移します。
そこには、12年勤めたというのですから、お店の居心地のよさとお店からの信頼の度合いがわかります。
その店で縁あって知り合ったのが奥様の早苗さんです。現在は夫婦で義蕎を切り盛りしています。
山口さんは、お話をしてみると誠実な人柄と、なにごとにもまっすぐな気持ちの持ち主だということがすぐにわかります。蕎麦に対する思いも同様で、お客様が満足するものでないと納得がいかない性分のようです。
1日に十割蕎麦を20食お出しできるのがやっとだという理由は、酒の肴の準備のためです。作ってあるものではなく、仕入れたものをさばくため、時間がかかるのです。
肴の材料は、築地に自動二輪で仕入れに行きます。美味しいものをお客様に召し上がっていただきたい気持ちから、手間ひまは惜しみません。
そんな山口さんの気持ちが通じてか、ご贔屓の客には、お店の看板に名書きしてくれる書家の先生がいたり、ホームページを作ってくれる人がいたりと、この人のために何かやってやろう、という気持ちの人が多いようです。
義理と人情の世界に身をおいているかのような山口さんのまわりには、やはり情けに厚く、義理堅い人たちが集まってきます。
「義蕎」と名づけたその由来が、そのままお店に反映しているのです。
すでに気持ちが深く通じている常連さんと同様、たくさんの方に気軽にお蕎麦を楽しんでいただきたいという思いが山口さんにはあります。
そこで、今年から昼間もお店を開けて、冷たい蕎麦と冷やし蕎麦、それに温かい蕎麦を始めました。こちらはいわゆる手捏ね機械切りの更科そばです。
手打ち十割と違ってこちらのほうは、蕎麦つゆの味が決め手になるそうです。蕎麦とつゆがどちらも味を主張すると、せっかくの味もケンカして台無しになります。この更科そばは、蕎麦の香りが少ない分、つゆで補うために出汁はしっかりきかせます。
天ぷらは、すべて純正ごま油で揚げており香ばしくさっくりした歯ごたえがとびっきり贅沢に感じます。
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